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薬とワクチンの違いって何?

薬とワクチンの違いは何かというと、まず抗生物質等を代表とする薬は細菌の細胞を直接攻撃してやっつけるのが特徴です。
つまり細胞のないウイルスには効力がありません。
一方ワクチンはウイルス等に感染するのを前もって予防する為のものであり、ウイルスを直接攻撃するような類のものではありません。

薬とワクチンの違いは細菌とウイルスの違いを知っておくとより分かりやすいです。
まずそもそも細菌とウイルスでは大きさが全然違います。
例えば1ミリが野球場と同じくらいの大きさだとすると、細菌はサッカーボールぐらいでウイルスはお米一粒程度の大きさです。
性質もそれぞれ異なり、細菌は細胞を持っているので細胞分裂をする事で自分達だけで増殖出来るので、この場合は細胞を直接やっつける事が出来る薬が有効です。
しかしウイルスは自分自身だけで増殖する事は出来ない為、他の生物の細胞に入り込んで増殖していくので、この場合はウイルスが体内に入り込まないようにワクチンを使用する事が有効となります。

天然痘であればウイルスの感染力が非常に強く、1年以上も持続するので予防薬としてワクチンが必要です。
ポリオもウイルスが人の口内から侵入して腸の内部で増えて便の中に入り込み、ここからさらに人から人へと感染するのでこの場合も予防薬としてワクチンが必要です。

他にも有名なのはペストが挙げられます。
ペストはペスト菌による感染症で、エジプトに遠征中だったナポレオン軍もシリア遠征の途中パレスチナにある小さな港町で大流行していた致死率の高いペストに感染し、兵士は苦しんだという記録があります。
このペストもウイルス性なのでワクチンが必要になります。

このように感染症のワクチンは病気を広めない為の予防薬を代表するものです。
現在も予防薬として役に立っています。
例えば毎年流行するインフルエンザもワクチンを事前に打つ事で抗体を作り免疫力を高め感染から体を守っています。
つまり薬は体内に入り込んでしまった細菌の細胞を直接やっつけるもので、ワクチンは打つ事で抗体を作り体内に入り込むのを事前に予防するものです。

人類が天然痘に勝利した話

天然痘と言う病気を一度は聞いたことがある人が多いかと思います。
なぜここまで有名なのかというと、天然痘というのは人類が感染症に対して打ち勝った初めての病気だからです。
感染症には様々なものがあります。

ナポレオンが率いる軍が発症して大変な事になったペストは致死率が高く大きな被害を出しました。
口の中から侵入するポリオも現在でも乳幼児に対して致命傷となる感染症といえます。
そのため、予防薬としてワクチンを接種するのが一般的となっています。
薬と違い細菌に対して免疫を作ることがワクチンの主な役割です。
これらのような数ある感染症の中でも人類が唯一根絶できたのがこの天然痘でした。

天然痘は風邪と同じように飛沫によって人から人へ感染します。
症状としては急激な発熱や頭痛、関節痛などが挙げられます。
非常に致死率か高く50%近くの方が亡くなっています。

天然痘が一番猛威をふるったのは16世紀のヨーロッパだといわれています。
当時、ヨーロッパには数多くの旅行者が来訪していたのでその結果世界中に感染を広めることになりました。
この感染病にピリオドを打ったのはジェンナーという医師でした。
当時、この地域には主に牛がかかっていた牛痘に感染している人は天然痘にかからないという伝説があり、彼はそれを実際に実験してみることにしました。

方法としては牛痘にかかった人の膿を傷口にすり込んで経過を観察しました。
そうすると、かなりの効果があることが分かりその研究を全世界に対して発表しました。
これがワクチンの始まりだと言われています。
このワクチンによって天然痘は根絶され、1977年には完全に撲滅したという宣言をWHOが出しています。
このように、ワクチンというのは過去から受け継がれたきた叡智の結晶だといえます。
薬とは異なりますが、生きていく上で大切なものです。